『やさしすぎるあなたが、少しずつ自分を出す練習』
井上 裕之 著, サンクチュアリ出版, 2014年7月25日
どんな本?
自分で自分の心を縛ってしまう人に向けて、より自分の気持ちに素直になって生活する方法を伝えてくれるメッセージ本。図書館で借りた。
なお前回の投稿には「『ある人』から勧められた本- その1」のことを書いたが、⬇️

今回のこの本も同様に、同じ「ある人」から勧められた本だ(つまり、「その2」なのである)。
気になった箇所
人の話や意見に、素直に耳を傾けること――。それは、とてもすばらしいことです。けれども、人の話をただ素直に聞いているだけでは、残念ながら、あなたならでの捉え方や、新しい切り口やアイデアは、絶対に生まれてはきません。
P118~119
人生においても、仕事においても、その人ならではの素晴らしいアイデアや切り口を創造できる人というのは、つねに物事の本質を、自分の素直な心で、きちんと見つめようとしています。それがたとえ、世の中の常識や既成概念とは違っていて、多くの人から、「そんなの、できっこないよ」「みんながみんな、こっちのほうがいいって言ってるよ」と言われたとしても、最終的には、自分の素直な心にしたがって、「やる、やらない」とか、「好き、嫌い」などの判断をつけていく――。だからこそ、その人は、いつも、自分らしく、幸せに、満足した人生を歩いていけるのです。
でも、そうは言っても、自分の素直な気持ちというものに、そんなに強く自身が持てない。そう不安に思われる方も、きっといると思います。けれども、どんな些細なことでもいいから、今、あなたが心から素直に、楽しいな、やってみたいな、好きだなと思うこと、きっと思い浮かべられますよね?そうしたら、たとえば、それを紙に書きだして、ワクワク楽しくイメージしてみる――。
まずは、それだけで、いいんですよ。
なぜならば、それこそが、人の話を聞きすぎない、あなたならではの素直な気持ち=人生の価値観だからです。
感想と思考
実は私は正直、この本を読んでいる最中に何度か「ちょっと胡散臭い……かも」と思ってしまった。
この本を勧めてくれた「その人」には私はとてもお世話になっているし、尊敬の気持ちだってものすごくある(ちなみに恋愛相手ではない。笑 もっとずっと、目上の方だ)。だからこの本を勧めてくださったこと、それ自体はとても嬉しかった。ただこの「本自体」に関しては、「自分から手に取ることはなかっただろうなぁ」と思ってしまった。
それで私は、なぜそのように感じたのかを少し考えてみた。そして気づいた。
「自分はこのような『生きていく上での心得』みたいなことは主に、物語の中から自ら解釈して取り入れることが多いのだろうな。だから例えばこの本のようにメッセージがストレートに書き連ねられている本には、自分自身で考えを整える余地がなく、それがきっと感じる『窮屈さ』につながってしまうのではないか」と思っていることに。
つまり私はダイレクトに生き方を諭されるよりも、自分自身でかみ砕いて理解するという方があっているのである(たぶん)。
……とはいえ。そうは言ってもやはり、この本にはこの本なりの良さがあった。し、これからの自分の「大切にしたい考え方リスト」とやらに加えたい部分も何か所かあった(例えば「気になった箇所」で引用した部分、とか)。それに、「私は物語から自ら解釈をして、自分自身の考えを紡いでいるんだ」ということに気が付けたのも、この本を読んだからこそだと思う。そういう意味では、やはり出会えてよかった本なのかもしれない。
これからも、いろいろなジャンルの本を幅広く読もう。それから本だけではなくて、さまざまなものを見たりきいたり感じたり、人に出会ったり、場所を訪れたりしてみよう。今自分は改めてそう思えている、気がする。